この記事でわかること
- コーヒー豆とコーヒーチェリーの関係
- 種から木、花、チェリーへ育つ流れ
- アラビカ種とロブスタ種の違い
- ティピカやブルボンなど、アラビカ種の主な品種
- コーヒーチェリーが成熟して収穫されるまでの流れ
- 品種・栽培・収穫を流れで覚える方法
ブラックエプロン対策で、品種・栽培・収穫を学ぶ理由
コーヒー豆を見慣れていると、最初から茶色い豆が収穫されるように感じるかもしれません。しかし、私たちがコーヒー豆と呼んでいるものは、コーヒーの木に実るコーヒーチェリーの中にある種です。
ブラックエプロンの勉強では、細かな品種名をすべて暗記する前に、次の2点を説明できる状態を目指しましょう。
- アラビカ種とロブスタ種には、どのような違いがあるか
- コーヒーが種から育ち、実をつけ、その中に再び種ができるまでに、どのような過程をたどるか
この記事はブラックエプロン学習を目的として、スターバックスの公式公開情報を基準に構成しています。一般的なコーヒー業界の説明とは、用語・分類・数値が異なる場合があります。内容が更新される可能性があるため、最新の公式情報も確認してください。
ブラックエプロン試験の全体像と勉強の進め方を先に確認しておくと、この分野が学習全体のどこに位置するのかをつかみやすくなります。

コーヒー豆は、コーヒーチェリーの中にある種
コーヒーを実らせる植物は「コーヒーノキ」と呼ばれます。この記事では、スターバックス公式の表記に合わせて、主に「コーヒーの木」と表現します。
コーヒーの木には白い花が咲き、やがてコーヒーチェリーと呼ばれる果実が実ります。その果実の中にある種が、焙煎前の生豆です。
通常のコーヒーチェリーには、向かい合うように2つの種が入っています。収穫されたチェリーから種を取り出して乾燥させ、焙煎すると、普段目にする茶色いコーヒー豆になります。
つまり、コーヒーの木の出発点である種と、次の世代を育てるために果実の中へできる種は、どちらもコーヒー豆です。

ピーベリーとは
コーヒーチェリーの中には通常2つの平らな種ができますが、片方だけが丸く育つことがあります。この丸い豆をピーベリーと呼びます。
ピーベリーは品種の名前ではありません。チェリーの中で種が育つときに生じる形の違いとして整理しましょう。
種からチェリーへ育ち、再び種ができる
コーヒーの成長は、次の流れで捉えると理解しやすくなります。
- 種を植える
- 発芽して苗木になる
- コーヒーの木へ成長する
- 白い花が咲く
- 花のあとに緑色の実ができる
- 実が成熟し、赤や黄色などのコーヒーチェリーになる
- 熟したチェリーを収穫する
- チェリーから種である生豆を取り出す
収穫のあとには加工、乾燥、選別、輸送、焙煎、抽出が続きます。品種・栽培・収穫は、一杯のコーヒーになるまでの長い旅の出発点です。

アラビカ種は自家受粉できる
スターバックス公式では、アラビカ種のコーヒーの木は、ハチなどの昆虫に頼らず、自らの花粉で受粉してコーヒーチェリーを実らせると説明されています。
花と果実を別々の暗記事項にせず、「花が咲くことで、次の種を包むチェリーが育つ」という一つの流れで覚えましょう。
アラビカ種とロブスタ種の違い
コーヒーには、主にアラビカ種とロブスタ種があります。ブラックエプロン対策では、まず両者の大きな違いを説明できるようにします。
アラビカ種
- 高地で栽培される
- 洗練された風味・コク・酸味を持つ高品質なコーヒーが生まれる
- 病気・害虫・干ばつに弱い傾向がある
- スターバックスが取り扱うコーヒーは、高品質なアラビカ種のみ
ロブスタ種
- アラビカ種より低地で栽培される
- 病気・害虫・干ばつへの抵抗力がある
- 収穫量が多い
- アラビカ種より風味の洗練度が低い
- アラビカ種よりカフェイン含有量が多い

単純に「アラビカ種は上、ロブスタ種は下」と覚えるのではなく、栽培環境、木の強さ、収穫量、風味を一組にして比較すると、理由と一緒に思い出しやすくなります。
アラビカ種の中にも多くの品種がある
アラビカ種は大きな分類であり、その中にティピカ、ブルボン、カトゥーラ、カトゥアイ、パカマラ、ゲイシャなどの栽培品種があります。
スターバックス公式では、世界で生産されているアラビカ種の80%以上が、ティピカまたはブルボンに関連する品種に由来すると紹介されています。
細かな品種をすべて同じ深さで暗記する必要はありません。まずはティピカとブルボンを中心に、代表的な特徴を押さえましょう。
ティピカ
- 高地で栽培すると優れた品質のコーヒーを生み出す
- 害虫やさび病などの病害に弱い
- 多くの品種の遺伝学的な親種
ブルボン
- 収穫量は少なめ
- 高地で栽培すると優れた品質のコーヒーを生み出す
- 複雑で甘みのある風味を持つ
- 熟したチェリーの色によって、イエロー、レッド、オレンジ、ピンクなどのブルボンが栽培されている
そのほかの代表的な品種
- カトゥーラ:木が小さく、通常より密集させて植えられる
- カトゥアイ:カトゥーラとムンドノーボの交配で、ラテンアメリカに多い
- パカマラ:大きなチェリーと葉が特徴で、葉の陰でゆっくり熟す
- エアルーム:生産者から受け継がれた、または野生で育ってきた歴史的な品種
- ゲイシャ:エアルーム種の一つで、華やかで繊細な風味を持つ
元店員の覚え方
品種は名前だけを並べるより、それぞれの特徴と組み合わせると整理しやすくなりました。
例えば、ティピカは「多くの品種につながる親種で、病害に弱い」、ブルボンは「収穫量は少なめで、複雑な甘みを持つ」というように、最初は一品種につき一つか二つの特徴を結び付けます。
まずはスターバックス公式で説明されている栽培特性や風味から覚えましょう。

品種はコーヒーの風味にも影響する
同じ農園、微気候、標高で育ち、加工法や焙煎方法も同じであっても、品種が異なれば酸味・コク・風味に違いが表れる場合があります。
スターバックスが2019年に発売した「エルサルバドル モンテカルロス エステート」では、同じ条件で育てたパカマラ、カトゥアイ、ブルボンに、それぞれ異なる風味が表れました。
- パカマラ:フローラルさと甘みのある複雑な味わい
- カトゥアイ:シトラスのような酸味と、アプリコットやピーチを思わせる風味
- ブルボン:ミルクチョコレートのような風味と、メイヤーレモンを思わせる甘み
産地や加工法だけでなく、品種も一杯の個性を作る要素です。ただし、品種だけで味がすべて決まるわけではありません。次の記事で学ぶテロワールや、その後に学ぶ加工法などと組み合わせて考えます。
成熟したコーヒーチェリーを収穫する
コーヒーの木は約3〜5年で成熟し、花が咲いてから約9か月をかけてコーヒーチェリーが熟します。緑色の実が赤や黄色などへ変化したら、収穫の時期です。
同じ木でも実が熟すタイミングは異なるため、スターバックス公式では主に手作業で収穫すると説明されています。ここでは、収穫方法を細かく暗記するより、「成熟したチェリーを収穫し、その中の種を生豆として取り出す」という流れを押さえましょう。
コーヒーの木1本から1年間に得られる量は、焙煎したコーヒー豆にすると約450gが一つの目安です。栽培環境や木の状態などで収量は変わりますが、1本の木から得られる量を具体的にイメージすると、種から一杯のコーヒーまでのつながりを理解しやすくなります。
品種・栽培・収穫の覚え方
1. 成長を一周の物語にする
「種、苗木、花、チェリー、収穫」と用語を分けて覚えるのではなく、種から始まり、チェリーの中に次の種ができるまでを一周の物語として説明します。
2. アラビカ種とロブスタ種を対比する
栽培される標高、木の強さ、収穫量、風味、カフェインの違いを左右に並べます。スターバックスがアラビカ種のみを扱う理由も、品質と風味につなげて理解します。
3. 品種は特徴を一つずつ結び付ける
最初から多数の品種を暗記せず、ティピカとブルボンから始めます。慣れてきたら、カトゥーラやカトゥアイなどを追加します。
4. 成熟から収穫までをつなげる
花が咲いてからチェリーが熟し、収穫後に加工へ進むまでを一続きの流れとして理解します。
理解度を確認する5つの問題
問題1
普段コーヒー豆と呼んでいるものは、植物のどの部分ですか?
問題2
スターバックスが取り扱っているコーヒーは、アラビカ種とロブスタ種のどちらですか?
問題3
アラビカ種と比べたときの、ロブスタ種の栽培上の特徴を二つ挙げてください。
問題4
ティピカは、ほかの品種との関係でどのように説明されていますか?
問題5
コーヒーの木は、種から育ってどのくらいで成熟しますか?
理解度チェックの答えと解説
問題1の答え
コーヒーチェリーと呼ばれる果実の中にある種です。コーヒー豆は、木にそのまま豆の形で実るわけではありません。
問題2の答え
高品質なアラビカ種です。スターバックス公式では、洗練された風味・コク・酸味を持つ高品質なコーヒーが生まれると説明されています。
問題3の答え
低地でも栽培され、病気・害虫・干ばつへの抵抗力があります。また、収穫量が多いことも特徴です。栽培環境、木の強さ、収穫量を一組にして覚えましょう。
問題4の答え
多くの品種の遺伝学的な親種と説明されています。ティピカは、ほかの品種とのつながりを整理すると覚えやすくなります。
問題5の答え
約3〜5年です。その後、花が咲いてから約9か月をかけてコーヒーチェリーが熟します。
次は「産地とテロワール」を学ぶ
品種の特徴は、どこで育ててもまったく同じように表れるわけではありません。土壌、標高、気候、昼夜の寒暖差など、育った場所の条件もコーヒーの個性に影響します。
次の記事では、コーヒーベルト、三大生産地域、テロワールを整理します。そのあとに水洗式・乾燥式・半水洗式の違いを学ぶと、コーヒーチェリーが生豆になっていく流れまでつながります。
まとめ
- コーヒー豆は、コーヒーチェリーの中にある種
- コーヒーは、種、苗木、木、花、チェリー、収穫という流れで育つ
- スターバックスが扱うのは、高品質なアラビカ種のみ
- アラビカ種は高地で育ち、洗練された風味を持つ一方、病害などに弱い傾向がある
- ロブスタ種は低地でも育ち、病害などに強く、収穫量が多い
- 細かな栽培品種は、名前だけでなく特徴と一緒に覚える
- 成熟したチェリーを収穫したあと、加工を経て中の種が生豆になる
まずは、アラビカ種とロブスタ種の違いと、種からチェリーまでの一周を、自分の言葉で説明してみてください。